自分の考え方を見直すと、自分の認知のゆがみがわかります。
自分の考え方にゆがみがあることがわかるだけで、そのゆがみを意識することができます
認知のゆがみを認識できると、それだけでそのゆがみは弱まり、徐々になくなっていきます。
認知のゆがみがなくなっていくと、自分の考えにとらわれることなく、マインドフルネスに穏やかな考えができるようになります。
多くの人にあてはまる「認知のゆがみのパターン」を知ると、自分の認知のゆがみに気づきやすくなります。
皆様は「自分の考え方」をどれだけ意識できているでしょうか?
実際に自分の考えを意識することは、あまりしないと思います。
私自身も自分の考えを意識するようになったのは、マインドフルネスを学び始めてからでした。
それだけ、自分の考えを「自分で見直す」という「客観的な視点」は持ちづらいものです。
それは、自分の考えを自分で見直すということは、しなくても問題がない(と思ってしまう)ことが多いからではないでしょうか。
自分の考えに自信がありその考えのまま行動することで、自分の理想を体現し満足できているという人がいるとすれば、自分の考えを自分で見直すなんてことはしないと思います。
しかし、実際にそのような人はいるでしょうか?いてもかなり少数派ではないでしょうか。
私も含め、自分の考えに自信がなく、理想の自分なんて描けないような方は多いと思います。
私たちのような人達にとって、その考え方には悪いクセがついていることが多いと思います。
マインドフルネスを学ぶ過程で、「認知のゆがみのパターン」という多くの人が持つといわれる定型があることを知りました。
今回は、この認知のゆがみについて、定型を知ることで自分の認知のゆがみを発見しやすくなると思いまとめてみました。
そして、認知のゆがみがわかれば、マインドフルネス思考の「手放す」を使って、そのゆがみを認識して自分から離すように意識するだけで、徐々にそのゆがみは消えていきます。
ゆがみを認識するために、定型を知ることは大きな意味があると思っています!
8個ほどにまとめてみました。
- 全か無か思考
- 一般化しすぎ
- マイナス化思考
- 結論の飛躍
- 感情的決めつけ
- すべき思考
- レッテル張り
- 自己関連付け
1 全か無か思考
これは、物事を0か100で考えてしまう思考です。
仕事で一度でもミスをすると、「私は仕事ができない」と考えてしまったりするように、何事も白黒つけないと気が済まないタイプです。
完璧主義ともいえますね。 私の感想ですが、完璧主義の人はいつも緊張して大変そうだなと思います。
私は完璧主義ではなく、いい加減なことが好きでカチッと決まったことは苦手なのですが、自分の趣味などの分野では完璧にしたいという欲求がでてくることがあります。
この全か無か思考は、意外と多くの人が持っているのではないかと思います。
全か無か思考がすべてダメなわけではなく、白黒つけるべきでないとわかっているのに、つけようとしてしまう時に、認知のゆがみとなってしまいます。
「あ、いま、理由もないのにこだわりすぎているな」と少しでも感じることができれば、完璧主義の罠にはまることが少なくなるのではないでしょうか。
2 一般化しすぎ
一般化しすぎとは、1回、2回の経験からその出来事を一般化してしまうことです。
一般化とは、特殊な物事から普遍的な概念を見出すことです。
簡単にいうと、特別な出来事なのに、それを常識と考えてしまい、その考えをひきづってしまうということでしょうか。
例として、
一度女性に振られてしまった経験から「自分はモテない」「女性には縁がない」と考えてしまったり、
仕事で大きなミスを一度してしまうと、「自分は仕事ができない」と考えてしまったりします。
一般化しすぎは、私にも当てはまることが多いです。
私は緊張しいで、どもりもあるのですが、小学校の発表でクラスメイトからどもりを指摘されてから「自分はどもりだ」という考えが身についてしまって「自分はうまくしゃべれない」というのが自分の常識になっていました。
仕事でも計算するときに小さなミスをしてしまうと、計算自体に苦手意識をもってしまうことがあります。
その経験が自分にとって重大と感じていれば、それだけその経験を特別視してしまい、後々の影響も大きくなってしまいます。
自分にとって苦手意識やマイナスな考えがあるとき、その理由や「なぜそのように思うようになったのか」を認識して考えるようにしましょう。
苦手意識やマイナスな考えには何の根拠もなく、以前の1度2度の経験からそう思うようになっていたことがわかることもあるかもしれません。
私も、どもりが自分に「自分はしゃべるのが苦手だ」と思わせていたことがわかり、気持ちが楽になりました。
また、どもりでもうまくしゃべる人はいくらでもいると知り、気にすることもなくなりました。
3 マイナス化思考
マイナス化思考とは、起きる出来事に対して、すべて「悪い」ととらえてしまう思考です。
たとえ、おみくじで「大吉」がでても、「あとは悪くなるだけだ」とマイナスに捉えてしまいます。
何事もいい面と悪い面があるので、起きる出来事がすべて悪いと考えるだけなら問題はないのかなと思います。
問題は、悪く考えるがために、気分が落ち込んだり、活気がなくなったり、やる気が起きなくなったりと、精神的身体的に悪影響がある時だと思います。
悪く考えるというのが、「悪いから良い方向になるように努力しよう」とプラスに転換できるなら問題ありません。
私は、なんでもプラスに考えたがるので(笑)、マイナス思考にはあまり縁がないのですが、マイナス思考の気持ちは理解できます。
実際にはプラス思考もマイナス思考も考え方のクセであり、その後どう行動するかが問題で、考えそれ自体は関係ないと思っています。
ただ、マイナス思考で精神身体面で悪影響があるならば、改善が必要であると思います。
自分の感情ではなく、できごと自体に目を向けて、それが自分にとって本当に悪い影響しかないのかを考える必要があると思います。
感情的ではなく出来事自体に目を向け、マインドフルネスに考えることで、その出来事が「本当に悪いことか」が見えてくることもあると思います。
今まで悪いことだと考えていたことが、「本当は悪いことではなかった」とわかれば、認知のゆがみは改善され、より正確に出来事をみることができるでしょう。
4 結論の飛躍
結論の飛躍とは、根拠なくネガティブな結論を出してしまうことです。
一度仕事でミスをしてしまうと、「自分は仕事ができない人間である」と結論づけてしまうようなことです。
問題は、その結論には全く根拠がなく、「ただなんとなく」「今までもそうだったから」などぼんやりとした理由から導き出されていることです。
理由もなく結論をだしてしまっていると、正しい判断はできません。
根拠を持って結果をだすことで、その判断が正しかったかどうかを判定できます。
なんとなく判断した結果が、よくなってもわるくなっても、その結果は自分で決めたものではなく、成り行きで決まったことであり、そこには自分の意志はありません。ただの運のようなものです。
この結論の飛躍も、陥っている人は多いと思います。
私も、自己認識についておおいに共感してしまうことがあります。
私は、自分が今までにあまり社交的にコミュニケーションをとれなかったことから、「自分は社交的ではない」という考えを常に持っていました。
だから、初対面で人に会ったときは「自分はこの人と仲良くなるのは難しいだろう」という結論をだしてしまっていました。
実際にこの結論はその通りになってしまうことも多いのです。(笑)
しかし、それは自分がそのように決めてしまっていることが大きな要因であることも間違いありません。
この決めつけから行動が発生すると、「なかよくなるために努力しよう」という行動はでてこないことは、容易に考えられるでしょう。
私がこのような結論の飛躍から脱出するために「自分は社交的ではない」という結論の理由を意識して考えることを行いました。
- 自分は社交的ではない理由は何か?
- それは自分が社交的にふるまわないからだ
- なぜ社交的にふるまえないか?
- そうできないと思っているからだ
- なぜできないと思っているのか?
- やり方がわからないからだ
- なぜわからないのか?
- 知ろうとしないからだ
- 知っているとできるのか?
- できる、、と思う。
ということで、社交的に話すための知識を得ることができたとき、この結論の飛躍という認知のゆがみは改善されるという結論がでました。
今は、社交力とかコミュニケーション力などの本や情報は本当にたくさんあふれていますので、情報を得ることも簡単でした。
しかし、社交力を高めるために必要なのは「実践」であることもよくわかりました(笑)
本を読むだけでは社交力を得るのは難しいですね。
実際に、「知識として社交的に話すこと技術」を知ることで、私の「自分は社交的ではない」という結論は大きく改善され、「社交的」に近くなっていると思います。
「結論の飛躍」の改善のためには、その結論の理由をとことん考えてみるということは有効であると思います。
5 感情的決めつけ
感情的決めつけとは、自分の感情に基づいて現実を判断してしまうということです。
私は、この考えをこじらせると危ういと感じます。
しかし、その前段階にいる人は、私をふくめ多いと思います。
感情的決めつけは、自分の感情で物事を判断することで、例えば「あの人はなんだか嫌いだから、悪い人に違いない」と決めつけてしまったりすることです。
さらに悪化していくと、「自分が今気分が悪いから世の中は暗いニュースがあふれている」、という風に自分の感情が現実社会にも反映していると考えることです。
このように考えてしまうと、「出来事すべてが自分の感情のもとに起こっている」ような考えにつながってしまうのではないか、と思います。 対話という考えは消えうせ、孤立してしまいそうです。
なので、この認知のゆがみをつきつめていくと怖いなあと、思う次第です。
しかし、自分の気分が悪いと、出来事がいつもより悪いことに感じてしまうことは、ありがちなことだと思います。
そんな時は、マインドフルネスに自分の気持ちを受け止め、「あ、自分は気分が悪いから、いつもより悪いようにかんがえてしまっているな」と気づくことが必要です。
「こんなことを考えてしまう自分はダメだ」と自分を責めないようにしたいですね。
すべての認知のゆがみについていえることは、「自分を責めてもなんの得もない」ということですね。
認知のゆがみが不快であると感じたら、それがなぜ自分に不快であるか理由を考えるようにしましょう。
話はそれましたが、感情的決めつけに対しては、その時の感情を受け止めてまず認めることをしたいですね。
「自分にこんな感情がある」と知ることが、その感情を変える第一歩だと思います。
6 すべき思考
すべき思考とは、自分や人に対する理想や責任を必要以上に強くもってしまうことです。
「こうすべき」という思考は、みな少なからずあると思います。
問題になるのは、それが過剰にはたらきすぎて、自分の予定を状況に合わせて柔軟に変更できなかったり、他人に自分の意見を強要してしまうような時でしょう。
そのために、自分が不快な感情をもってしまったり、相手を不快にさせてしまったら問題といえるでしょう。
すべき思考がなぜ起こるかというと、「今まで自分はこうしてうまくやってきた」という自信が強すぎて、新しいことを受け入れる余裕がないから、ではないでしょうか。
また、「これを変えたら、すべてがうまくいかなくなってしまう」「自分が否定されてしまう」といった不安な感情も影響していると考えられます。
私は、このようなすべき思考はあまり意識したことはありません。
それは、「これをしたからうまくいった」という経験が少ないのかもしれません。
つまり、何かするときにあまり考えていないと、(笑)
精神的には健康かもしれませんが、目標達成のためには少なからずこのすべき思考は必要であると思いますので、改善の余地おおありです。(笑)
すべき思考を改善するためには、まずは、原因となる強すぎる自信や不安の感情を受け止め認めることが必要かと思います。
そして、それをしなくてはいけない理由を考えましょう。
その考えが必要であるという結論がでれば、その考えをすればいいと納得できます。
その考えが不要であるという結論がでれば、「自分の考えが間違っていた」という認識を得ることができます。
このように認識できるだけで、その考えを客観的に見ることができるので、その認識を変えることは容易になります。
マインドフルネス思考の「手放す」を使い、その間違った認識を自分から離すように意識していくと、その認識は徐々に消えていきます。
7 レッテル張り
レッテル張りとは、根拠なしに「そう決まっている」と烙印を押して否定することです。
感情的決めつけや結論の飛躍と似ています。
理由もなく「そうである」と決めつけてしまうので、正しい判断ができないことはわかります。
これも対応策は、根拠なく烙印を押している理由を今一度考えることが必要です。
その考えには理由はあるか、を考えてみましょう。
8 自己関連付け
自己関連付けとは、何かよくないことがあると、それがすべて自分の責任であると考えてしまう思考です。
頭では自分の責任であるはずはないとわかっていても、そのように考えてしまうところが、認知のゆがみです。
原因として、自分に対しての自信の無さ、周りに対しての申し訳なさ、などがあるのではないでしょうか。
実際には、世の中の流れが自分の行いで変わることはまずありません。
自分の影響力が及ぶのは、家庭や職場などごく狭い範囲であることがほとんどであると思います。
例えば、相手が怒っていると感じ、それが自分のせいだと感じてしまっている場面があるとします。
そんな時は、一度それは「本当に自分のせいか」を考えてみましょう。
自分に思い当たるふしがあるなら、相手の気持ちを考えて必要な対処をするだけです。
特に、自分に思い当たる節がないこともあるでしょう。
相手は、たまたま機嫌が悪いだけかもしれませんし、私生活でトラブルを感じているのかもしれません。
仲の良い相手なら正直に相手に聞くこともできるでしょうが、それほど親しくない相手には難しいでしょう。
しかし、いずれにせよ「相手の本当の気持ちはわからない」でしょう。
親しい相手だからといって、本当のことを言ってくれるとは限りません。親しいがゆえに心配をかけたくないと遠慮するかもしれません。
私たちにできるのは、相手の気持ちを最大限に思いやって、正しいと思う行動をすることだけです。
自分に関連しているかどうかは、相手のことを考えて行動していたらいずれ明らかになることだと思います。
このように自己関連付けについては、落ち着いて考えることができれば大きな問題になることは少ないと考えられます。
自分と本当に関連しているかを考え、自分に関連していると思えば必要な対処をして、自分と関連していないと思えば、「あ、これは自分とは関係ないことだ」と認識して「手放して」しまいましょう。
まとめ
今回、認知のゆがみをまとめてみて、「自分を正しく見ることの難しさ」を感じました。
私を含め多くの人が、自分を「間違いのない完璧な人」や「何もできないダメなやつ」と思ったりしてしまいます。
その一面は確かに自分であるかもしれません。
しかし、それは一面であって、それだけで自分を形づくるものではありません。
自分のいろんな面をみて、それぞれの面について対応策を考えていけるように正しく自分をみる練習が必要であると思いました。
今回まとめてみて、自分は、「一般化しすぎ」「マイナス化思考」「結論の飛躍」が特に当てはまると思いました。「レッテル張り」も自分では意識していないけどありそうだと感じました。
このように自分にはこのような認知のゆがみがあると意識するだけで、このような思考に引きずられにくくなります。
このような思考に気づいたときに、「あー、また思ってるなー」と認識して、マインドフルネス思考の「手放す」を使って、軽く受け流すことができるようになります。
自分の認知のゆがみがわかれば、それを客観的に意識するようにすることができるようになります。
そうすればゆがみはだんだんと消えていくので、落ち着いた状態になることができます。