能の魅力

能との出会い

大学時代にたまたま近くに薪能(夜間に野外で行われる能)の舞台がきて、何か人と違うことを求めていた私は、友人数人と舞台を見に行きました。

かがり火の光に照らされた舞台は、この世から遊離したもののように感じられ、不思議な気持ちをもたらしました。このときは特に、演目の終盤に激しい舞に心を奪われて見入っていました。
笛と小鼓、大鼓、太鼓の単純そうでとても複雑なリズムと舞台上で面をつけて舞う演者の共演、夜の暗闇の中でかがり火に照らされた舞台に、「幽玄」を感じました。「幽玄」という言葉はあとから知りましたが、まさにこの時感じたことだと、あとから思いました。意味を感じたというよりは、よくわからない感動の名前として、この言葉がしっくりきたということです。

幽玄とは
1 物事の趣が奥深くはかりしれないこと。また、そのさま
2 趣きが深く、高尚で優美なこと。また、そのさま。
3 気品があり、優雅なこと。また、そのさま。
能楽では、初め美しく柔和な風情をさしていったが、のちに静寂で枯淡な風情をもいうようになった

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能を習う

それからは、能のことが気になりちょくちょく本を読んだりしていました。
頻繁ではありませんが、能の舞台も見に行くようになりました。
3年ほど前に生活の変化があり余裕ができたため、近くにあった能楽堂で謡と仕舞のお稽古をはじめました。
一対一で先生から教えていただいています。
初めは謡から教えていただき1年ほど経ってから仕舞も習うようになりました。
今のお稽古は、先生の真似をすることが中心です。自分で「このようにした方がいい」と思えるようになるまで繰り返したいです。
独特の節は、何度繰り返しても違って聞こえます。繰り返し方にもいろんな方法があり、お稽古の奥深さを感じています。
まだまだつたない謡や仕舞しかできませんが、続けることで自信につながり、自己肯定感が高まっています。笑
初めは能の舞の美しさや面の妖しい美しさに興味がありましたが、続けているうちに少しずつですが、演目の背景や時代にも気がまわるようになってきました。これから、さらに楽しみもふえる気がします。

能の効果

能を習ってよかったことは、色々あります。
まず、偉い先生から直接教えてもらえるということです。生徒数が少数精鋭だからですね笑。そして、とても大事にされている気がします笑。身近に偉い方々がいるので、色々聞けて勉強できます。
また、昔の伝統に触れていることがなんだかとてもうれしく感じます。個人的な意見です笑
身体的には、呼吸が深くなって息がしやすくなったこと感じます。また、正座が基本であるため正座に慣れます。謡うときも仕舞でも姿勢を正すので、姿勢がよくなります。
みんなで一緒に謡うこともあるのですが、一体感を感じて気持ちいいです。コーラスとかと同じようなものでしょう。
他の生徒さんは中高年の方が多いので、世代の違う方と交流ができます。外国の方もいます。
発表会のようなものがあり、それに向けて練習するのですが、無事終わった時の達成感があります。目標を立てて達成する経験は大事です!

私にとっての能

私にとって能は、一生続けていきたい趣味です。能は600年以上の歴史をもち、今もその原形を保っています。その連綿とつながる歴史の流れに自分も加わっていると感じられます。昔も今も変わらない謡の言葉を発することで、昔の人の感情や感覚、時代の匂いを感じられるような気がします。今と同じような感情や感覚を持っていた人が必ずいると思います。時代を超えて人が、ことばが、意味が伝わること。こんなに不思議で意義深く、面白い体験はなかなかないと思います。能のエッセンスを抽出して、後世へ連なる物語を残したい、というのは夢の一つかもしれません。

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